中学校卒業後の進路にこんなお悩みありませんか?
- 中卒で専門学校に行きたいけど専門学校って行けるの?
- 中学校では不登校だったので、全日制の高等学校は荷が重い。どうしよう?
- 高等専修学校を学校の先生に勧められたけど、それって何?
などの悩みを抱えている方に、おすすめの記事です。
高等専修学校の良いところは、情報があふれていますが、良いところばかりではありません。
しっかりデメリットも確認したうえで選択したいですよね。
この記事を読めば、しっかり理解してもらえると思います。
我が家の子どもは高等専修学校に通っています高等専修学校への入学準備にかかった費用と準備したもの
高等専修学校(専修学校高等課程)ってどんな学校?
まず最初に、高等専修学校って何?
どんな学校なのか?
というところから説明したいと思います。
(地域によっては、専修学校高等課程とよんでいるところもあります)
高等専修学校は、 中学校卒業後のひとつの進路です。
「専修学校」は昭和51年1月、新しい学校制度として創設された学校教育法第124条に定められた「学校」です。「専修学校」の目的は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ること」です。専修学校は、授業時数・教員資格や施設・設備などの一定の基準を満たしている場合に、所轄庁である都道府県知事の認可を受けて設置されます。「専修学校」は3種類に分けられます。(学校教育法第125条)
種類 課程 対象 名称 1 高等課程 中学卒業者 ○○高等専修学校 2 専門課程 高校卒業者 ○○専門学校 3 一般課程 学歴・年齢等問わず ○○専修学校 引用:全国高等専修学校協会
一般的によく知られている専修学校は、高校卒業後に進学できる専門学校ですが、
高等専修学校は中学校卒業後に進学できる学校で、専門学校と同じように特定の分野についてを学び、高等学校と同じ3年制の学校がほとんどです。
名前が似ているのでわかりにくいですね。
高等専修学校も、専門学校も専修学校の仲間ということです。
入学試験について
高等専修学校は、学校教育法で定められた学校なので、高等学校と同じように入試もあります。
入試は、国語と数学などの学科試験があるところもありますが、面接と作文のみで学科試験のないところも多くあります。
受験料は、私立高校と同等額で、15,000円から20,000円です。
私立の高等学校と同じように、推薦入試で定員の約8割が決定します。
あとの約2割は、一般入試枠です。
学費について
高等専修学校の学費は、初年度100万円切るところもあれば、学校や選択する分野によっては、170万円以上かかるところもあります。
文部科学省が行った2016子供の学習費調査によれば(年間額)
高等学校(全日制) | |
公立 | 私立 |
450,862円 | 1,040,168円 |
私立高校の学習費平均の総額が1,040,168円となっていますので、高等専修学校と私立高校の学費は変わらない学校もあれば、学校によっては私立高校よりかかることがわかります。
高等専修学校も就学支援金(授業料無償化)の対象になりました!
高校との大きな違い
高等学校と違うところは、高等専修学校をただ卒業しただけでは、高卒資格がありません。(ここ重要)
技能連携校として、通信制の高等学校と高等専修学校が連携をして、専修学校で通信制高校の勉強もし、高卒の単位取得をしていきます。
専修学校で学ぶ専門科目も単位認定されるので、中学校でいうところの5教科の授業数が少なく、数学の授業が週に1日だけであったり、英語が週に1日だけなどとなっていたりします。
※5教科とは、国語、英語、数学、理科、社会のことです。
公立や私立の高等学校では、5教科が多めで専門科目少なめというところが、多いですが、高等専修学校は専門科目がたくさん組み込まれています。
そのため、高等専修学校は、専門的な知識をしっかりと学べて、高校卒業資格も得られることになります。
卒業時には、高等専修学校卒業と、通信制高等学校卒業の両方になります。
どんな子に向いている学校なのか?
専修学校の目的にもあるように、
「職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または、教養の向上をはかること」
が目的にできた学校なので、ある特定の職業について学び、社会にでてすぐに役立つ資格取得などを目指した勉強をします。
出典:文部科学省ホームページ (http://www.mext.go.jp/)
高等専修学校は、大きくわけて5つの分野について学ぶことができます。
- 看護、福祉
- 商業
- 理美容、ファッション
- 調理、製菓
- 機械、電子等の工業
それぞれの分野の勉強をいち早くして、社会に出て即戦力として働きたい!という希望がある子に向いていると言えます。
そして、入試が面接と作文の場合が多く、高等学校に進学するために5教科で入試を戦うにはしんどいなっという子にも、仕事に直結した高等専修学校は向いているのではないかなっと思います。
そして、高等専修学校の多くは、不登校の生徒に対しても、しっかりとフォローをし、受け入れをすすめています。
入試についても、中学校の推薦がもらえない場合に、AO入試という形で受験できる学校が増えています。
入学試験については、推薦入試と同じで、面接と作文などになります。
不登校で、全日制の高校への進学は、ちょっとハードルが高いなっという子にとっても、手厚く支援をしてもらえるので良いのではないかなっと思います。
ずばりデメリットは3つ
お金がかかる!
一番大きく言われているのが、専修学校の学費と通信制高校の学費の2つの学校の学費が必要だということ。
2020年4月から高等学校等就学支援金制度が変わりましたので、高等専修学校の授業料は所得によっては、ほぼ無償化となりますが、2校分の支援はありません。
通信制の学費は、毎月必要で、月々10,000円前後は学費として支払うことになります。
学校によっては、高等専修学校の学費と通信制の学費を合算計上しているところもありますので、月々の必要な金額は学校により幅が広いです。
地域によっては、通信制高校の学費も無償化の対象となる場合もあるので、ご確認くださいね。
出典:文部科学省ホームページ (http://www.mext.go.jp/)
【分かりやすい】私立高校授業料無償化!対象でも支払い続けます
職業選択の方向性に変更がでた場合はきびしい
専門的な知識を身につける学校なので、途中で気が変わって大学受験したいとなっても、5教科の授業数が少ないのでとても不利になります。
ただ今は、指定校推薦などもあるので、少しは選択の余地もあるかと思いますが、高等専修学校で学んだ専門的な知識を活かせるような学校への推薦になるので、全く違う職業に向けて学びたい場合には、自分で大学受験に向けて準備をしていくしかないようです。
世間の認知度が低く進学者が少ない
平成30年度学校基本調査(文部科学省)によると、
高等学校在籍生徒数は、3,235,661名
高等専修学校の在籍生徒数は、36,278名となっています。
このことからもわかるように、高等専修学校へ進学する生徒は非常に少ないため、世間的な認知度も低くなってしまうのです。
狭い世界の中での関わりになることに。
高等専修学校(専修学校高等課程)のデメリットのまとめ
高等専修学校(専修学校高等課程)は、中学校卒業後に進学できる学校で、職業にすぐに結び付く資格が取得でき、あわせて高校の卒業資格もとれる学校。
デメリットとしては、お金がかかること、興味が変わったら学びなおしが必要になる、世間的な認知度が低く進学者が少ないため狭い世界での関わりになるということ。
高等専修学校(専修学校高等課程)について、理解してもらえたのではないでしょうか?
今後の、進路選択の参考になれば嬉しいです。